2015.12.08

子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん)について


定期的に検診を受けることが、あなたの健康を守る第一歩です。

女性特有のがん検診(子宮頸がん、子宮体がん)を随時受け付けています。

 

 

予約の必要はありません。ご都合のよい時にご来院ください。

※自治体、企業が実施するがん検診には助成金、福利厚生で実施される場合がありますので、
 検診前に詳細をご確認の上お越しください。

 

 

子宮は、女性にしかない特別な臓器のひとつです。この子宮の入り口付近、「子宮頸部」にできるがんを「子宮頸がん」といいます。
子宮頸がんになった場合、子宮や子宮のまわりの臓器を摘出しなければならなくなることがあります。たとえ妊娠や出産を望まない女性であっても、後遺症が残り仕事や生活に影響するなど失うものは多大なものです。また、がんがもっと進行してしまった場合は、生命そのものに重大な影響を及ぼすおそれがあります。
しかし、子宮頸がんは原因やがんになる過程が解明されている、予防ができるがんです。また、定期的に検診を受けることで、がんになる前に発見し、子宮を失わずに治療することが可能です。
なお、子宮にできるがんには、他にも、赤ちゃんが育つ「子宮体部」にできるがんがあり、「子宮体がん」と呼びます。一般に「子宮がん」というと「子宮体がん」をイメージする方が多いのですが、この2種類のがんは、原因や発症しやすい年齢・特徴・治療法などが違うため、それぞれについて正しい知識が必要です。
一般的に行われているのは子宮頸がん検診です。当院では子宮体がん検診は不整出血があった場合や超音波検査で子宮に異常を認めた時に行っています。超音波検査では卵巣が腫れてないかどうかなども同時に確認します。

 

 

 

 

子宮がんとは

女性特有のがん検診(子宮頸がん、子宮体がん)は随時受け付けています。 定期的に検診を受けることが、あなたの健康を守る第一歩です。

子宮がんとは

 

<子宮がん一口メモ>
●子宮がんは、婦人科領域のがんの中で、乳がんに次いで発症頻度が高い。
●子宮がんには、子宮頸部に発生する「子宮頸がん」と、子宮体部の子宮内膜に発生する「子宮体がん」がある。
●子宮頸がんは発がん性HPVの感染が原因、子宮体がんは女性ホルモンの異常が原因と考えらていれる。

 

 

 

子宮頸がん

子宮頸がんは遺伝などに関係なく、性交経験がある女性なら誰でもなる可能性のあるウイルスが引き起こす病気です。 近年では20代後半から30代に急増、若い女性の発症率が増加傾向にあります。子宮頸がんは、がんによる死亡原因の第3位、女性特有のがんの中では乳がんに次いで第2位を占めており、特に20代から30代の女性においては、発症するすべてのがんの中で第1位となっています。

 

 

 

日本における30〜39歳の女性10万人当たりの各種がんの発症率推移

日本における30〜39歳の女性10万人当りのがんの発症率推移

 

 

 

 

 

世界中では約2分の1人の女性が子宮頸がんによって死亡している。
 日本では1日に約7人の女性が子宮頸がんによって死亡している。

 

全世界で毎年、27万人もの女性が子宮頸がんによって大切な命を失っています。これは時間に換算すると約2分間に1人の割合。日本でも、毎年15,000人(上皮内がんを含む)が子宮頸がんと診断されています。
なお、同じ子宮にできるがんでも、子宮体がんは閉経前後の50代から60代の女性に多く、若い女性に多い子宮頸がんとは対照的です。

 

 

 

 

発がん性HPVの感染と子宮頸がんへの移行

子宮頸がん(しきゅうけいがん)はその他のがんと異なり、原因が解明されています。子宮頸がんの原因は、ほぼ100%がヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染であることが明らかになっています。子宮頸がんの原因である発がん性HPVは、皮膚と皮膚(粘膜)の接触によって感染するウイルスで、多くの場合、性交渉によって感染すると考えられています。発がん性HPVは、すべての女性の約80%が一生に一度は感染していると報告があるほどとてもありふれたウイルス。このため、性行動のあるすべての女性が子宮頸がんになる可能性を持っています。

 

 

子宮頸がんは発がん性HPVに持続的に感染することで発症すると考えられています。 発がん性HPVの感染は、9割以上が一過性の感染で、自然に子宮頸部から消失すると考えられています。一部の人では持続感染が起こりますが、最終的に子宮頸がん発症に至るのはHPV感染した方の1%未満であると考えられています。 通常、発がん性HPVの感染から子宮頸がん発症までには数年から十数年かかるため、がんになるまでの前がん病変の段階で子宮頸がん検診により早期に発見することが可能です。 しかし、HPVに自然感染しても免疫は得られにくいため、感染の機会があれば、何度でも感染を繰り返します。

 

 

 

HPVは皮膚や粘膜に感染するウイルスで、100種類以上のタイプがあります。このうちの約15種類は子宮頸がんの原因となることが多いため、発がん性HPVと呼ばれています。中でも、HPV 16型とHPV 18型と呼ばれる2種類は、子宮頸がんを発症している20~30代の女性の約70~80%から見つかっています。
発がん性HPVは、多くは性交渉の時に感染しますが、性器のまわりの皮膚や粘膜との密接な接触などによっても感染することがあるので、コンドームは感染を防ぐ有効な手段ではありますが、完全に防ぐことはできません。

ヒトパピローマウイルス(HPV)にはハイリスク型とローリスク型があり、子宮頸がん(しきゅうけいがん)を引き起こすのは発がん性HPVといわれるハイリスク型のみです。また、ハイリスク型HPVに感染しても90%以上は体内から自然消失するため、子宮頸がんに進展するのはごくわずかです。全世界で毎年3億人の女性が発がん性のハイリスク型HPVに感染すると仮定した場合、そのうちの約0.15%が子宮頸がんを発症すると推定されています。
ただし、子宮頸がんになるまでには、通常、数年~十数年と長い時間がかかるので、定期的な子宮頸がん検診を受けていれば、がんになる前の状態(前がん病変)を発見し、治療することが可能です。

 

 

 

 

発がん性HPVの感染と子宮頸部病変の発生

 

 

 

 

当院での子宮頚がん検診

実際の子宮頚がん検診では、まず子宮頚部を綿棒などで擦過し、細胞を採取します。その細胞を顕微鏡にて検鏡し判定します。判定はベセスダシステム(表1)という分類方法にて行います。

 

 

判定がNILMであれば2年に1回のがん検診(できれば年1回)となります。それ以外であれば更なる精査(図1)が必要となります。コルポスコピー検査や子宮頚部生検(組織検査)です。コルポスコピー検査は子宮頚部を特殊な薬液(酢酸)で加工し、表面の形態変化や色調変化を拡大鏡で確認する検査です。これにより異常部位を確認し病変やその程度を推定します。その際、異常部位を一部採取するのが生検(組織検査)です。がん検診が細胞検査であるのに対し、生検はその細胞が集まった組織を検査するためがん検診よりも詳しい検査となります。これらの検査を行い中等度異形成以下の病変であれば1〜3ヶ月ごとの定期的ながん検診、コルポスコピーおよび場合によっては生検(組織検査)を行います。高度異形成や上皮内がんなどが診断されれば円錐切除術が必要となります。

 

 

 

円錐切除術

生検(組織検査)は通常1〜3カ所で行います。それ以外の部位は検査しておらず、他にどんな病変があるか不明です。場合によっては推定病変以上の病変がある可能性もあります。そのため検査と治療をかねた円錐切除術という手術が必要となります。これは子宮頚部(子宮の口)を円錐状にくりぬく手術です。これにより生検していない部分もすべて検査できます。さらには取り除くことになるので治療にもなります。その場合、切除断端面に病変がないことが条件となります。実際、当院では1泊入院(もしくは2泊入院)で行っています。内診台に乗った状態で経腟的に手術を行うので、開腹術とは異なり体の負担は大きくありません。 上皮内がんの治療として円錐切除術が行われたものは1990年には33%でしたが、2003年には73%まで増加しています。現在では円錐切除術が推奨されるが、妊孕性温存を望まない症例には、単純子宮全摘も考慮される、と治療指針に示されています。 円錐切除後の再発率は断端陽性例で9-16%、断端陰性例で2-4%と報告されています。再発した場合は、再度円錐切除術を行うか、子宮全摘術となります。

 

 

 

手術後に妊娠を希望される場合
妊娠は十分に可能です。しかしながら妊娠時には子宮頸部が手術により短縮しているため、 切迫早産の危険性が高くなりますので妊娠経過観察には注意が必要です。