2015.12.08

不妊症の検査


不妊症の検査

検査は原因を知るためには、とても重要な要素です。
それぞれの検査は、お一人お一人のからだの調子により、受けて頂くかどうか、また、受けていただく時期などもことなります。重要な事は、その検査がなぜ必要かをご理解頂く事です。ご自分の体の事を把握されるチャンスととらえ、治療を選択される判断材料にしていただければと考えています。
原因をさがす検査は、ご夫婦が平行して進められることが大切です。そして、その検査の目的、検査結果を十分にご理解の上、それに基づいた治療方針を検討しましょう。

 

 

基礎体温 (BBT)

朝目覚めたときの体温を測定します。測定には、温度の変化を細かく測定できる婦人体温計を用います。月経開始後排卵までの卵胞期では、体温は比較的低温で低温相と呼ばれます。そして、排卵後黄体ホルモンが分泌されるようになるとこのホルモンの作用で体温は上昇します。この時期を高温相と呼びます。この高温相は2週間しか続かず妊娠でなければ、体温が低下して月経が起こります。従って、高温相が2週間以上続けば妊娠している可能性が高くなります。不妊症の治療にはBBTの情報は不可欠です。必ず測定しましょう。

 

 

基礎体温 (BBT)

 

 

ホルモン値測定

基本的には卵胞ホルモン(E2)、黄体ホルモン(P)、黄体化ホルモン(LH)の3種類のホルモンですが、卵胞の発育、排卵の時期、排卵後の黄体化を評価するための大切な検査です。基礎体温の動きや超音波断層法の所見とこれらのホルモン値を組み合わせることでそれぞれの月経周期における卵巣の働き、動きが的確に評価できます。

 

ホルモン値測定
AMH(抗ミュラー管ホルモン検査)

抗ミュラー管ホルモン(AMH)とは、初潮をむかえ、卵巣内の原始卵胞が活発化し、発育していく途中の卵胞から分泌されるホルモンです。AMHの測定値と発育途中の卵胞の数は相関します。卵巣内の卵は年齢とともに減少していき、血液中のAMH濃度も減少していきます。ですから、AMH濃度を測定することは、卵巣の予備能を知るための指標となると考えられています。
卵の数は、年齢とともに減少するのですが、卵巣内の原始卵胞がもともと少ない女性もいます。 
AMH濃度が低い場合は、自然の排卵が起こりにくい、治療の際になかなか卵胞が発育しない、というようなことが起こりやすくなります。

 

AMH(抗ミュラー管ホルモン検査)
超音波断層法(スキャン)
産婦人科領域では最も大切な検査で、超音波(周波数3~7.5MHz)を体に当てて、その反射波をとらえて画像にするものです。液体は音波が反射しないため黒く抜けた像となり、卵巣内の卵胞も卵胞液という液体を溜めていることから極めて明瞭に観察できます。卵胞の発育、排卵、妊娠初期の診断などありとあらゆる診察に用いられます。産婦人科で用いる超音波断層法は、お腹の上から検査する方法(経腹法)と腟内から検査する方法(経腟法)の2種類があります。体外受精、顕微授精などのための採卵も、超音波断層法で卵胞を観察しながら腟から針を刺して行います。

 

 

超音波で見る卵胞の様子

 

 

 

尿中LH測定(黄体化ホルモン)

卵胞が充分に発育した時に、脳下垂体から排卵をさせるために分泌されるホルモン。排卵の時期を決定するための最も簡単な検査です。

子宮卵管造影法(HSG)

卵管の疎通性や子宮内の形、さらに骨盤内の癒着の程度までを検査する目的で行われます。子宮内に造影剤を注入し造影剤の流れ、骨盤内に流出した造影剤の拡散の具合などをレントゲン撮影により細かく検討します。広く行われる検査ですが実施方法によっては検査時の痛みが強い場合があります。

 

 

腹腔鏡検査(Lap/dye)

女性の骨盤内の状態を直視下に観察し、子宮、卵管、卵巣などの妊娠に関わる臓器の異常の有無をチェックし、癒着や子宮内膜症が存在すれば、腹腔鏡下にて治療を同時に行います。女性側の不妊原因を探すための最も大切な検査です。また、この方法を用いてお腹を開けないで卵巣、卵管、子宮などの手術も行えます(腹腔鏡下手術)。海外ではこの検査(治療)を何よりも先に行います。

クラミジアIgG抗体測定

男性は尿道の細胞から、女性は子宮の入り口の細胞からクラミジア抗原を検出する方法が主ですが、この方法は実際の感染者の約20%程度しか陽性と判断できません。そこで、妊娠を希望される場合は、血液検査によるクラミジア抗体測定法による検査で正確な判定をする必要があります。

 

抗精子抗体

不妊女性の中には、体の中に精子が侵入してきたときその精子を病原菌などと同様に外敵と認識し、精子を攻撃して精子の運動性を無くしてしまう(殺してしまう)ような抗体ができている場合があります。この抗体を抗精子抗体(精子不動化抗体)と言います。一般に、この抗体を持っている不妊女性は3%程度あると考えられています。また、この抗体は不思議なことに男性にも存在することがあります。女性がこの抗体を持つと、女性の体液(血液、粘液、分泌液など)に精子が触れると精子は運動しなくなるため妊娠しなくなります。従って、この様なご夫婦に対しては、妊娠するために特別な工夫をした体外受精が絶対に必要となります。しかし、この様なご夫婦に対する体外受精の妊娠率は極めて高く、ほとんどのご夫婦で妊娠していただいています。

受精テスト

前述の受精障害を診断するための検査です。各種不妊検査にて異常を認めないにも関わらず、長期間妊娠しないご夫婦に対して行います。体外受精と同様に卵巣から成熟卵を採取し、ご主人の精子と共に試験管の中で培養し、卵と精子を理想的環境でお見合をさせ受精してくれるか否かを観察します。受精が確認できれば、受精卵は子宮に戻して妊娠の期待を持つことができます。また、受精しなければその後の治療法は顕微授精が必要となります。

精液検査と精液所見

通常、2日間程度の禁欲の後マスターベーションにて精液を自己採取していただきます。当院を含めて多くの施設では、男性の心理的負担を考慮した専用の採精室が用意されています。採取後の精液は30分間程度時間をおいて十分に液化した状態で、精子数や運動率を検査します。 自然な夫婦生活にて妊娠可能な精液所見の基準は、 精子濃度(1mlの精液中の精子の数):5000万以上、 精子運動率(全精子中の動いている精子の割合):50%以上、です。 尚、精液所見は検査の度にかなり数値が変動します。基準の値を下回ったときは必ず再検をし、普段の状態をより客観的に把握することが大切です。

 

 

 

男性のホルモン測定

精巣内での精子を作る能力の程度を評価するために以前から行われている一般的検査で、血中LH、FSH、テストステロン、の3種類のホルモンを測定します。

染色体検査
泌尿器科的検査

不妊症の治療

 

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